個人が格安賃貸でホームレスの自立支援 - 福岡のちょっといい話
今日はこちらを御覧下さい。
アパート12室をホームレスに、格安賃貸で自立支援(西日本新聞)
” 下川さんのアパートは木造2階建てで、管理人室を除き12室ある。
約40年前、企業に貸し出す寮として建てて、夫と2人で賃貸で経営
してきた。
転機は2002年。ホームレスを支援する福岡市の特定非営利活動
法人(NPO法人)「福岡すまいの会」の活動を紹介した新聞記事
だった。住居が定まらないホームレスは生活の実態が分かりにくく、
生活保護の受給が難しい。日々の暮らしに苦しむ姿を知り、「家さ
えあれば生活保護をもらえるはず。長生きさせてもらい、何か社会
に貢献したかった」。〔中略〕
2003年4月から一部屋を月3万円前後で貸し出している。ひと
部屋は6畳1間で風呂とトイレは共用。月に一度、すまいの会の会
員が入居者に健康診断を行い、医療面のサポートも担う。
昨年10月に入居した男性(71)は「雨露をしのげるのが、どれ
だけありがたいことか。ここがなければ野垂れ死にしていた」と振
り返る。現在は生活保護を受けている。
福岡すまいの会の後田直聖副理事長は「本来は行政が公的施設を設
けるのが理想。現状では、私たちが部屋を借りようとしても、ホー
ムレスに貸すと話せば、不動産会社から門前払いにされる。下川さ
んのような協力があれば、ホームレスの自立にもつながるから、助
かる」と語る。
エイさんには入居者からお礼の年賀状も届く。「すまいの会の人か
ら『よぼよぼになったホームレスが、お風呂に入って見違えるほど
元気になりました』と聞くと、貸して本当によかったと思う。私が
元気なうちは続けたい」と話している。”
長々と引用させて頂きました。
「本来は行政が担当すべき」との主張も理解できますが、
公務員の方々には大変申し訳ないことながら、
一般に政府や公共自治体の支援は機械的なもので
予算や名目、形態にこだわり過ぎることが多く、
「本当は何をしたいのか」「どのような思いを抱いて行動しているか」
極めて曖昧模糊として分かりにくい、という傾向があります。
… 志ある公務員の方なら、幾分同意して頂けるものと思います。
先駆的な活動、意欲的な活動、そして旺盛な活力は、
民間からの動きなくして生まれるものではない、そう私は考えます。
山本七平 氏はかつて著作で、
“ 「上からの押しつけの思想」は消える。だが本当に庶民
のなかから出てきた思想は消えない。それは、その国の
社会構造に深く根ざし、権力の交代に関係なく存続し、
しまいには逆に新権力をも教化していくからである。”
と記しています。
奥深く心に残るメッセージで、
「誰かが早く問題を解決してくれないか」と
無意識に望んでしまう私たちに訴えかけてくるものがあります。
編集部より:この記事は「みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道」様の2015-03-16の投稿を転載させていただきました。