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お金に困った時に無利子でお金を借りる方法!(藤田孝典) – Y!ニュース

皆さんは、お金が必要となった際に、お金をどこから借りているだろうか。

私が所属するNPO法人ほっとプラスには、「生活費が足りなくて困っている」、「子どもの進学の際のお金がない」、「自営業の資金繰りのお金が足りない」、「給与を盗まれてお金が無い」、「電動車いすを買いたい」などお金にまつわる相談が寄せられる。

そして、多くの方がお金を借りる手段として、銀行や消費者金融、カードローンの窓口に問い合わせたり、足を運んでいる状況がある。

一定の収入があることなどを条件に、簡易な審査でお金を貸してもらえる場合もある。

大変便利である。

しかし、そのような窓口での借り入れは便利な反面、利子が高いケースもある。

利子が高い場合、今後の返済ができなくなり、生活に支障をきたすことも考えられる。

実際に、多重債務に陥り、自己破産や任意整理手続きを弁護士と一緒に行うケースも相次いでいる。

大手銀行では、金利4%~14,0%程度、消費者金融では金利4,5%~18,0%程度である。

例えば、金利18%で100万円を借りた場合、1年後には118万円の返済を迫られることになっている。

18万円余計に返済しなければならない仕組みだ。

月々の返済に利子分も混ぜられているので、あまり意識はしないかもしれないが、実際は大きな負担となる。

お金に余裕がある人は、高利子でお金を借りればいいが、それ以外の人は利用をおすすめしない理由だ。

日々の生活費の工面をするために、お金を高利子で借りてしまうと生活が破たんしかねない。

まさにどこかのテレビコマーシャルではないが、『ご利用は計画的に』だ。

ではお金はどこで借りたらいいのか。

このような銀行、消費者金融、カードローンだけではなく、お金を貸してくれる身近な窓口があることをご存じだろうか。

それも原則は無利子で貸し付けてくれる窓口がある。

それはお住まいの市区町村社会福祉協議会だ!

例えば埼玉県越谷市に住んでいる場合、越谷市社会福祉協議会が相談窓口である。

社会福祉協議会というものがどこにあるか、どんなことをしているのか、検索して確認してみてほしい。

社会福祉協議会は、地域の民間団体で、その地域にお住まいの人々が暮らしやすく、生活しやすいように、様々な福祉サービスを提供している。

なかでも『生活福祉資金貸付事業』というあまり知られていない無利子の貸付を実施している。

私の友人が勤務する東京都社会福祉協議会生活福祉資金貸付事業のホームページはわかりやすい。

低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯に無利子または低利で福祉資金・教育支援資金等の他、緊急小口資金貸付を行っています。

また、失業等により生計の維持が困難となった世帯に対し、世帯の自立を支援することを目的として、生活再建までの取組みへの支援と生活費等の貸付を行う総合支援資金があります。

さらに、平成15年4月より高齢者世帯を対象とした不動産担保型生活資金の貸付を行っています。土地・建物を所有し、将来にわたりその住居に住みつづけることを希望する高齢者に、その土地、建物を担保として生活資金の貸付を行う制度です。

なお、生活保護世帯の場合は、要保護世帯向け不動産担保型生活資金があります。

以上の資金のご相談、お申込みはお住まいの地区の区市町村社会福祉協議会で行っています。(東京都社会福祉協議会ホームページより)

具体的には、当面の生活費、アパート転居資金、住宅改修費、就業する際の準備支度金、子どもの教育資金、車いすなど福祉用具購入資金、不動産を担保にした資金提供など、その貸付種類は多岐に及ぶ。それも原則は無利子で借りられる。

詳細は、各社会福祉協議会に確認いただきたいが、貸付を受けられる世帯収入の基準(東京都)は以下の通りで、意外と該当する世帯が多いことがわかる。

〔収入基準〕(平均月額)平成25年度 ※収入基準は毎年改定されます

世帯人員  1人   2人  3人   4人  5人

低所得世帯177,000 261,000 319,000 376,000 411,000

高齢者世帯206,000 388,000 514,000 581,000 634,000

※ 世帯の収入額から、家賃、住宅ローンの返済、定期的支出(療養費・仕送り)等が、一定金額まで控除されます。

だからお金のことで困ったら、とりあえず始めに「社会福祉協議会に相談してほしい」と思うのが、社会福祉専門家の本音である。

さらに生活福祉資金貸付は、社会福祉協議会の担当職員さんが必要に応じて相談にのってくれることも魅力的だ。

気軽に相談してみてほしい。

しかし、この生活福祉資金貸付も借金(返さなければならないお金)である。注意が必要だ。

ご自身の収入や状況を考えながら、利用することが大事になる。

返済できなくなると制度の存続や運用に迷惑をかけてしまうことになりかねないのだから。

最後に、貸付の利用によって皆さんの生活が今よりも豊かになることを願っている。

そして、社会福祉協議会職員の皆さんの柔軟な制度運用に期待している。

貧困や生活困窮に苦しむ地域住民を減らし、社会正義を実現する役割が生活福祉資金貸付にあることを忘れずに、相談者対応をしていただきたい。

藤田孝典NPO法人ほっとプラス代表理事、社会福祉士

1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。NPO法人ほっとプラス代表理事。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。著書に『ひとりも殺させない』『反貧困のソーシャルワーク実践』など。

編集部より:この記事はyahooニュース 藤田孝典 様の2014/02/25の投稿を転載させていただきました。